ジェイ・ワークス中川です。私が現場で見てきた事を元にキイロスズメバチの特徴と生態を解説いたします。
彦根に生息するスズメバチの中では恐らく最も小さく、体長は女王蜂で2.5cm~2.8cm、働き蜂で1.8cm~2.4cmです。
キイロスズメバチの「キイロ」とは、黄褐色の体毛を意味し、「スズメバチ」はその種であることを表します。
その名の通り黄褐色の毛で全身が覆われています。
キイロスズメバチは他の蜂より活動期間が長く4月下旬から11月中旬ごろまで活動します。(※ジェイ・ワークスの実績から)
基本的に肉食で主にセミやバッタ・ハエなどの虫をエサとしています。
次にキイロスズメバチの性格について説明いたします。
特に7月下旬から10月にかけては攻撃性が増すこの時期は特に注意が必要です。
キイロスズメバチは巣を守るために攻撃性が非常に強く、巣から10m以上離れた場所にいても威嚇される事もあり、特に巣を意識せず近くを歩いているだけで、威嚇なしに突然数十匹の集団で攻撃をしてくる事もあります。
また、何らかの刺激を与えた巣は攻撃性が持続し、ちょっとした刺激でも数十匹の集団で攻撃してくる恐れがあり、更に危険な状態となります。
実際ジェイ・ワークスでもこの様に突然刺された方からの依頼も多数お受けしております。
ひどい場合は別荘のドアを開けようとした途端にキイロスズメバチの集団にいきなり襲われて、数週間入院された方もおられました。
幸い命には別状がなく大事には至らなかったようで良かったのですが。
キイロスズメバチには毒針があり刺されると非常に痛く赤く腫れ上がりかゆみを伴う場合もあります。
また場合によっては命を落としてしまう場合もあります。
その場合、ハチの毒が直接、心臓や脳に作用して死に至るわけではありません。
刺された方の体がハチの毒に対し「アナフィラキシーショック」という過敏反応を起こして、この反応が重症になると、かなりの確率で命の危険が生じるのです。
ただし、集団のキイロスズメバチに集中的に刺された場合はショック死することもあります。
ハチ毒の体内に入る量を最小限にするために、水道水などで洗いながら毒液を絞り出すようにします
(非常に痛いですが我慢してください。)
この時絶対に口で吸い出していけません。
ハチ毒を飲み込んでも消化管からは吸収されませんが,口内に傷や虫歯があると傷口から体内に入るので危険です。
市販のポイズンリムーバーを使うのも効果的です。
ある程度毒を絞り出せたら患部に抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗り、保冷剤などで冷やして病院で診てもらいましょう。
キイロスズメバチの形はみなさんがイメージするいわゆる「蜂の巣」と言った下の図のような形です。
球体で渦状の模様が入っているのが特徴です。
キイロスズメバチの巣の外壁の模様は蜂が意図してデザインしている訳ではありません。
そもそもキイロスズメバチの巣の材料は木材や樹皮です。
それを働き蜂がかじり取り、良く噛んで唾液と混ぜ合わせてから薄く引き伸ばして作ります。
その際、働き蜂は各々違う材料を集めてくるので、材料の色の違いであの様な芸術的な模様になるのです。
私の印象ではキロスズメバチが巣を作るのは屋根裏、家屋の一番高い部分の軒下、道路の橋の裏側など作業がやりにくい場所が多いように思います。
冬眠から覚めたキロスズメバチの女王は最初に一匹だけで、家屋の屋根裏や壁内・木の洞など閉鎖空間に巣を作ります。
巣が大きくなり働き蜂が増えてくると家屋の軒下や樹木の枝などの解放空間に引越巣を作ります。
引っ越しの最中は閉鎖空間と開放空間の2ヶ所に巣がある場合もあります。
開放空間に作った巣は湖南市に生息するスズメバチの中では最も大きくなります。
平均的な直径は30-80cmで場所によっては1mにもなります。
働き蜂・雄蜂とも数百から千匹以上、新女王は200 - 800匹。
活動期間は5 - 11月、蜂の総数は9 - 10月に最大となります。